文豪たちも癒した優しき湯

宮城県と山形県を結ぶ関山街道、その県境にほど近い作並温泉。伊達家の隠し湯とも伝えられるこの湯は、寛政8年(1796年)の開湯以来、正岡子規や岡本一平、白洲次郎など数々の文化人たちからも愛されてきました。特に正岡子規は、塩竈や松島をめぐってここ作並に至り、旅行記「はて知らずの記」をしたためています。

「荒城の月」で知られる土井晩翠も、作並の湯をこよなく愛したひとり。「作並の河原の湯こそうれしけれ太古岩に囲まれてわく」という歌を残しています。泉質は肌に優しく、湯量豊富。「美女づくりの湯」との誉れも高く、宿ごとにさまざまに工夫を凝らした湯舟が楽しめます。

食べる

素朴な手作りの味、温故知新。

作並駅から温泉郷へと入る橋のたもとに暖簾を掲げる「つつみ屋」。まさに峠のお団子屋さん・現代版といった風情ですが、自慢のお団子も昔ながらの伝統製法。もっちりつやつやの切り団子に、オーダーを受けてからたっぷりのあんをのせて仕上げてくれます。あんはすべて素材の味わいを活かした甘さ控えめ。ずんだには程よく塩を効かせ、くるみにはお豆腐を加えてまろやかに。くるみを加えたあんを小麦粉の生地で包んで揚げた「つつみ揚げ」も人気です。

作並を訪れるならぜひ行程に加えたいのが「定義さん」詣で。縁結びにご利益があるとされる定義如来西方寺に参拝し、参道に立つ「定義とうふ店」の揚げたて「三角油揚げ」を頬張るのが定番コースになっています。

体験

ウイスキーと温泉、そこに宿る愛の物語

朝のNHK連続テレビ小説「マッサン」で注目を浴びたニッカウヰスキー。その宮城峡醸造所は作並温泉から車で約10分の場所に佇んでいます。緑なす山々、新川の清流に包まれた醸造所では、創業者である竹鶴政孝の愛と情熱を正しく受け継ぐウイスキーづくりが守られています。昨年オープンしたビジターセンターでは、ウイスキーの製法やニッカの歴史、竹鶴政孝の生涯についてなどを詳細に展示。見学や試飲を含めたコースで楽しむことができます。

また、最近人気急上昇中なのが、「恋のお湯かけ地蔵」をめぐる恋の湯めぐりツアーです。湯神神社を総本山に、作並湯の駅ラサンタと5つの旅館の計7か所に鎮座する「恋のお湯かけ地蔵」をめぐり、「恋のお湯かけ小瓶」のお湯をかけると恋愛成就が叶うというもの。身体とこころをあたためる湯めぐりです。

撮る

愛らしい表情と宇宙の神秘を一葉におさめて

作並温泉峡の目印といえば、桜並木と大きなこけし。150年の歴史を有する作並こけしは、可憐な表情に鮮やかな幾本ものロクロ線、胴に描かれたシンプルな菊花模様が特徴。安定のための台座が付いているのも、作並こけしの大きな特色です。「平賀こけし店」では、伝統の愛らしいこけしのほか、現代風にアレンジしたさまざまなこけしにも出会えます。

視点を大きく空へと向ければ、降るような星空。「仙台市天文台」なら、お天気に関わらず美しい星空を眺めることができ、宇宙の神秘に思いを馳せることも。ショップの一番人気も、天体をリアルにプリントした「アースキャンディ」。月や木星などがプリントされたキャンディもあり、吸い込まれるような美しさに、食べてしまうのがもったいなく思えるほどです。

  • ニッカウヰスキー仙台工場宮城峡蒸溜所

    〒989-3433 宮城県仙台市青葉区ニッカ1番地

    TEL:022-395-2865

  • つつみ屋 作並店

    〒989-3431 仙台市青葉区作並字相の沢32-7

    TEL:022-395-2165

  • 仙台市天文台

    〒989-3123 仙台市青葉区錦ケ丘9丁目29-32

    TEL:022-391-1300

    ※改修工事のため、2018年1~2月は展示室の観覧休止。3月は全館臨時休館となります。

  • 平賀こけし店

    〒989-3431 宮城県仙台市青葉区作並字元木13

    TEL:022-395-2523

  • 定義とうふ店

    〒989-3213 宮城県仙台市青葉区大倉下道1-2

    TEL:022-393-2035